特定非営利活動法人 標準医療情報センター

はじめに

大麻(cannabis)がウルグアイ(2013年合法化)に続いて、最近(2018年6月)、カナダでも製造、販売、使用が合法化されたというニュースが流され、大麻に関する事柄が世界中の人々の関心を集めています。カナダでは大きな社会実験と言えるでしょう。
大麻とは麻(アサ)の花冠、葉を乾燥または樹脂化、液体化させたものです。マリファナとも呼ばれています。また、花から製造されたものをガンジャ、樹脂からのものをハシシ(ハッシッシ), チャラスとも呼ばれています。喫煙、気化、飲食により成分を摂取されます。約60種類の大麻類(カンナビノイド)(cannabinoids)が含まれていると考えられています。また近年、医療大麻としても使用されており、医学的には麻薬の一種として分類されます。
覚せい剤(stimulant drugs, awakening drugs)、麻酔剤(anesthetic drugs, anesthetics)などとは異なりますが、時に間違って混同されて使用されていることがありますので、先ずその分類とそれぞれの特徴から見てみます。

A. 覚せい剤とは 麻薬とは 麻酔薬とは

覚せい剤とは中枢神経系を興奮させ睡気を抑える薬で塩酸メタンフェタミン(ヒロポン)・硫酸アンフェタミンなど。常用すると習慣性となり中毒をおこす、と広辞苑にはあります。医学的には、覚醒剤(awakening drug)とは覚醒アミンともいい、アンフェタミン類の中枢神経刺激薬(あるいは興奮薬)を言います。
中枢神経に作用して化学伝達物質ドーパミンを動員させ精神活動を一時的に活性化させます。乱用・依存を誘発することがあります。広義には中枢神経刺激薬(central nervous system, CNS, stimulants)を指すこともあり、日本の法律では「覚醒剤取締法」で規制されているメタンフェタミン(しゃぶ)だけを指すこともあります。

麻薬とは麻酔作用を持ち、常用すると習慣性となって中毒症状を起す物質の総称で阿片・モルヒネ・コカインの類、麻酔剤として医療に使用するが、嗜好的濫用は大きな害があるので法律で規制、と広辞苑にはあります。
医学的には、麻薬(narcotics)とは、通常はモルヒネやヘロインのようにケシから生成される麻薬性鎮痛薬(narcotic analgesics)のオピエート(opiate;天然麻薬)やオピオイド(opioid;麻薬性物質の総称)を指します。大麻(cannabis)もこの分類の中に入ります。人工的に合成された合成麻薬もあります(日本ペインクリニック学会)。
1970年代にエンケファリンやエンドルフィンが動物の脳内から発見され、さらに1980年代になりカンナビノイド受容体が発見され、この分野の研究は急速に進みました。
法律的には医学的用語と多少異なり、混乱を生じる場合がありますのでその使用には注意が必要です。
米国やカナダの薬物規制法では、麻薬はオピオイドだけでなく、コカインや大麻も含みます。日本では麻薬及び向精神薬取締法(麻薬取締法)における「麻薬」の語が、それらとも異なって使用されています。
国際的には向精神薬であるLSDのような幻覚剤は、日本では、法律上の「麻薬」になっています。また、大麻は別個に「大麻取締法」、覚醒剤は覚醒剤取締法で規制されています。すなわち、日本では、阿片は「あへん法」、大麻は「大麻取締法」、覚醒剤は「覚醒剤取締法」、麻薬は「麻薬及び向精神薬取締法」、で別々に規制されています(薬物四法の特別法)。

麻酔薬とは、睡眠薬、鎮痛薬あるいは他の薬物を組み合わせ、或いは単独に手術操作を行うために使用する薬剤を示します。その中には局所の手術操作に用いる局所麻酔薬、全身麻酔に使用する麻酔薬などがあります。局所麻酔薬にはリドカイン(キシロカイン)、カルボカインなど性質が異なる製品があります。全身麻酔薬には種々の静脈麻酔薬、吸入麻酔薬があります。実際には麻酔手技や手術手技に応じて、これらの麻酔薬を組み合わせて使用します。また、その中に麻薬を組み込むこともあります。
これらの薬物に共通する性質は依存(dependence)を形成することです。

表1.WHOによる依存形成薬物の分類(WHO:ICD-11,2019)

種類 中枢作用 精神依存 身体依存 耐性 薬物
アルコール 抑制 ++ +++ ++ アルコール
アンフェタミン 興奮 +++ ++(+) アンフェタミン、メタンフェタミンMDMA (エクスタシー)、塩酸メチルフェニデート(リタリン®)
バルビツレート
ベンゾジアゼピン誘導体
興奮
抑制
++ +++ ++ バルビツレート誘導体
ベンゾジアゼピン誘導体
大麻 抑制 ++(+) マリファナ(ハシシ)
コカイン 興奮 +++ コカイン←→歴史
幻覚発現薬 興奮 +++ ++ LSD-25、メスカリン、サイロシビン、PCP、ケタミン
CART (コカイン・アンフェタミン調節転写物質) ++ ー? ー? CART(覚醒剤に類似)
オピオイド 抑制 +++ +++ +++ モルヒネ、ヘロイン、コデイン、ペチジン、フェンタニル、THC
有機溶剤 抑制 トルエン、シンナー、アセトン、エーテル、クロロホルム

表中、赤字は著者が敢えて挿入しました。少量では興奮が見られることがありますが、常用量ではむしろ抑制です。+、-の数はその程度を示します。*薬物依存=drug(substance) dependenceとは、薬物を摂取した場合、次第に効果が薄れる耐性が形成されて同量の摂取量では効果が出にくくなることです。摂取を止めると離脱症状と渇望を生じます。従来、薬物嗜癖=drug addiction(substance)と混同して使用されることがありましたが、医学的にはこの言葉はあまり使われなくなりました。日本で使用されているアルコール中毒(アル中)はalcohol dependenceあるいはalcohol addictionに相当します。精神依存とは自己抑制が効かず薬物を使用することを言い、症状(痛みなど)がないにもかかわらず薬物に対する強度の欲求がある状態です。身体依存とは身体の薬物に対する生理的順応状態で、突然の薬物中止、急速な投与量減少、血中濃度低下、および拮抗薬投与によりその薬物に特有な離脱症候群が生じます。

B. 大麻の薬理

大麻(cannabis)に含まれるアルカロイドの総称をカンナビノイド(cannabinoid)といい、60種類を超える成分が大麻草特有のものとして分離されています。テトラヒドロカンナビノール (THC)、カンナビノール(CBN)、カンナビジオール (CBD)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビエルソイン(CBE)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビディバリン (CBDV) などです。既に、1990年代には、体内で自然に生産されるエンドカンナビノイド(内因性カンナビノイド)或いは内因性オピオイド(endogenous opioids)が発見されています。
特にTHC、CBN、CBDはカンナビノイドの三大主成分として知られています。陶酔作用がある成分はこの中でもTHCのみとされていますが、他のカンナビノイドとの含有比率によって効用には違いが生じるとされています。 カンナビノール(CBN)(C21H26O2)、テトラヒドロカンナビノール(THC)(C21H30O2)の分子構造はそれぞれ下図のようになっています。

カンナビノール(CBN)テトラヒドロカンナビノール(THC)

図1 カンナビノール(CBN)、テトラヒドロカンナビノール(THC)の構造式

医療大麻(Medical Cannabis)あるいは医療マリファナ(Medical Marijuana)とは、大麻に含有されるテトラヒドロカンナビノール (THC) やその他のカンナビノイド、あるいは合成カンナビノイドです。医療大麻の薬理作用の大半はTHCによるものです。
THCも他のカンナビノイドも逆行性伝達物質(通常の伝達物質はシナプスという神経細胞間の化学的情報伝達の際、シナプス前膜から後膜の方に伝達物質が放出されますが、逆にシナプス後膜から前膜の方に放出される物質があることも解っています)として脳の神経伝達物質の放出に影響してその作用を表します(図2)。

脳内麻薬、エンドカンナビノイド(内因性カンナビノイド)(2‐AG)による逆行性シナプス伝達抑制

図2 脳内麻薬、エンドカンナビノイド(内因性カンナビノイド)(2‐AG)による逆行性シナプス伝達抑制
エンドカンナビノイドの一種である2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)はシナプス後部のニューロンの脱分極によるカルシウムイオン流入、あるいはGq/11タンパク質共役型受容体の活性化によって作られます。2-AGは細胞膜を通って逆行性にシナプス前終末に局在するCB1受容体を活性化します。活性化したCB1受容体は共役するGi/oタンパク質を介してシナプス前終末の電位依存性カルシウムチャネルの開口を抑制して、その結果神経伝達物質の放出を抑制します。これをニューロンの脱分極によって生じるエンドカンナビノイドによる逆行性シナプス伝達抑圧(DSI)と呼びます。MGL(モノアシルグリセロール)は脳内麻薬(2-AG)を加水分解します。
シナプス後膜のムスカリン受容体刺激はPLCβを介してジアシルグリセロール(DG)を、さらに、ジアシルグリセロールリパーゼ(DGL)を介して2-AGを生成します。ホスファチジルイノシトールビスリン酸 (PIP2) は イノシトールトリスリン酸(IP3) と DG になり、細胞内へのCa放出とプロテインキナーゼC (PKC) 活性化を開始します。 PLC=ホスホリパーゼC。(橋本谷祐輝 他:実験医学,Vol.28 No.20:3409-3414,2010より引用)[1]

THCは、脳や体中のカンナビノイド受容体に結合することで薬理作用を発生させます。カンナビノイド受容体には内因性の(本来身体の中にある)神経伝達物質はアナンダミドです。
THCのような逆行性伝達物質によってシナプス後細胞はシナプス前膜の活動を調節することができます。逆行性伝達物質には様々な種類がありますが、大別すると、脂質、気体分子、神経栄養因子、ペプチド、古典的神経伝達物質などがあります。逆行性伝達物質を介した逆行性シナプス伝達は新規シナプス形成やその維持に重要な役割を担っていることが最近の研究によって明らかにされてきています。THCもその一つです(表1)。

アナンダミド (anandamide)はアラキドノイルエタノールアミド (arachidonoylethanolamide, AEA) とも呼ばれます。神経伝達物質あるいは脂質メディエーターの一種と考えられています。内因性のカンナビノイド受容体リガンド(内因性カンナビノイド)として最初に発見された物質です[1][2]。動物体内にあり、特に脳に多い物質です。快感などに関係する脳内麻薬物質の一つとも考えられていますが、ほかにも中枢神経系および末梢で多様な機能を持っています[3-7]。THCのカンナビノイド受容体にはタイプ1 (CB1)、タイプ2(CB2)があります。また、カンナビノイド受容体タイプ1への作用を介さずに神経保護作用があることも示唆されています[8]。
THCは毒性タンパク質であるアミロイドベータを除去することによって神経細胞が生存するとされ、アルツハイマー病の症状に対して神経保護作用を有することが示唆されています[9-11]。既存の治療薬や治験進行中の薬は、細胞の外でこれを除去するのに対し、大麻により細胞の内側でアルツハイマー病の病気の進行の早い段階で抑制することが示唆されています[12]。アセチルコリンエステラーゼ (AChE) が脳内のアミロイド線維の形成を促進することが分かっていますので承認されているアルツハイマー病の治療薬はAChE阻害剤です。THCはAChE阻害剤であるだけでなくアミロイドベータの凝集を抑制することが示され、したがって、既存の承認された治療薬よりも優れた特性を有することが示唆されています[13]。米国アルツハイマー研究所によって、THCがアミロイドベータタンパク質前駆体細胞におけるアミロイドベータを非常に低濃度でも抑制し、アルツハイマー病の治療となる可能性が示唆されています[14]。
THCA(THCの前駆体)は大麻に含まれるカンナビノイドですが、これがハンチントン病モデルラットでPPARγ受容体に結合し神経保護作用があり、アルツハイマー病を含めた神経変性疾患(多発性硬化症など)の治療にも可能性があるとされています [14,15]。
これに対し、阪大によるマウスを使った基礎研究では、記憶の長期抑制(記憶の消去にも関係する)は内因性カンナビノイドがCB1受容体に作用することで起っており、脳の「不要な」シナプスを刈り込むことで神経回路形成に重要な働きをしていることを明らかにしています。THCなど外因性のカンナビノイドはさらにこれを抑制することを明らかにしています[16]。このことから、外から投与されたカンナビノイドが神経回路の正常な発育を障害させる可能性があることも考えられます。成熟した動物やヒトではどうなのかが今後の研究に待たれます[16]。

C. 大麻の歴史

大麻の薬や嗜好品としての歴史は長く、中国で2700年前にシャーマンが薬理作用を目的として大麻が使用されています[17‐29]。2500年前、中国のオアシス古代都市国家車師の墓地からも、摂取を目的としたと考えられる大麻草13本が出土しています[23]。後漢(25 - 220年)頃に成立したとされる中国最古の薬物学書『神農本草経』に薬草として使われていたことが記されているようです。
ヘロドトスの著書『歴史』によると、紀元前450年のスキタイ人やトラキア人は大麻を吸っていたと記され、紀元前70年にはローマ帝国の医療用薬物として大麻の使用が記されています。アラビアと中東では紀元後900年から1100年にかけて大麻の喫煙習慣が広まっています。
アメリカ大陸においては、1549年にアンゴラから連れて来られた奴隷によって、ブラジル東北部で砂糖と共に大麻が栽培され、喫煙されていたようです。アメリカ大陸のスペイン領やイギリス領でも大麻が栽培され、メキシコでは大麻使用が大衆化していたとされています。
ヨーロッパでは、嗜好品としての大麻は1798年のナポレオン・ボナパルトによるエジプト遠征によってエジプトから伝えられ、1843年にはパリで「ハシッシュ(ハシシ)吸飲者倶楽部」が設立されています [18]。
西洋では1840年代以降、医療用大麻に関する文献や著書が多く発表されています[30]。1870年にギリシアで大麻使用が全土に普及したようです。また、イギリスの上流階級や王室の間にも広がり、ヴィクトリア女王は生理痛の緩和に使っていたとされています。薬用としては腹痛や発熱、不眠症、ひいては結核患者に使われています。
日本では大昔から麻が植えられていた様子が日本書紀や舊事紀に見られることなどが江戸時代の博物学者貝原益軒の『大和本草』に記されています。その中に大麻(アサ)の項があり、麻葉がマラリアの治療薬としての効能があると記されています[20]。
大麻(麻)の繊維は、日本では古くから、しめ縄、神事のお祓いの大麻(おおぬさ)などに用いられてきています。1912年、万国阿片条約で大麻が精神障害を起こすことを理由に国際法で流通や使用が制限されてきました。以来、大麻の有害性を中心に議論され続けてきました[26-29]。
一方、近年大麻についての再評価を求める動きが強まっています。本邦では大麻取締法により大麻は所持、輸入が医療目的であっても禁止されています[26,27]。

最近、癌や種々の疾患(後天性免疫不全症候群、緑内障、食欲亢進剤、抗痙攣剤、疼痛緩和など様々な分野での治療効果が実証されていることから、さらなる研究の必要性について論議されています[30-58]。
現在、大麻規制は国によって様々です。取引をすると死刑を科す国もあり、一方では少量の所持では処罰の対象にはしない国や医療用のみで合法である国、酒や煙草などと同じように嗜好品として取り扱う国、許可制度にしたがって売買できる国など様々です[7]。
2014年5月、南米のウルグアイは、量的制限はあるものの大麻の生産や販売、消費を世界で初めて合法化しました[29]。医療用大麻として用いられている国は、アメリカ合衆国、カナダ、イスラエル、ベルギー、オーストリア、オランダ、イギリス、スペイン、フィンランド、ドイツ などがあります。
アメリカは合衆国なので合衆国連邦法(federal low)では大麻は違法ですが、州法(state low)では現在、全50州中29州と首都ワシントンD.C.等で医療大麻として使用されています[29]、嗜好品として大麻が合法化されている州は、現在までに首都とワシントン州、コロラド州、アラスカ州、オレゴン州、カリフォルニア州、マサチューセッツ州、ネバダ州、メイン州、バーモント州などがあります。
ギャラップ調査によると、1969年時点では、アメリカ人の12%、2016年では約60%が大麻の合法化を支持しているようです。ギャラップが最近公開したデータによると、大麻の禁止措置の解除を支持する米国成人の比率は66%で、支持しない人の比率は32%でした。賛成の比率はやはり若い層(18-34歳)に高く78%だったようです[Forbes Japan news 2018/10/28,website]。
カナダでは既に医療大麻は2001年に合法化されています[23,24]。
ドイツでは2017年より解禁され医療大麻に健康保険も適応されています[22,23]。
オランダでは大麻がコーヒーショップと呼ばれる大麻販売店などで販売され、早くから大麻が事実上合法化されていることが広く知られています。
イギリスでは薬物乱用法があり、薬物の危険度をABCの順に分類し、現在、大麻はクラスBに分類されています[25]。
古来より日本で栽培されてきた大麻は向精神作用物質のTHC (テトラ・ヒドラ・カンナビノール)の含有量が少なく、日本には大麻を吸引する文化はなかったとされています。しかし、麻畑では麻酔い(あさよい)と呼ばれる精神作用があることが知られていました[20]。 忍術書、萬川集海には、大麻の葉を乾燥させて粉にした「阿呆薬」なるものの製法が記載されています[20]。
世界ドーピング防止規程では[28]、興奮剤やヘロイン等の麻薬と共に大麻の主成分であるカンナビノイドをスポーツ競技会における禁止薬物としています。

D. 大麻の種類

1.乾燥大麻

花穂や葉を乾燥させた大麻の加工品で、マリファナとかガンジャと呼ばれています[2]。世界で押収された大麻のうち大半がこれです[43]。製品によって大麻の有効成分であるテトラヒドロカンナビノール(THC)及びカンナビジオール(CBD)含有率はさまざまです[30‐33]。

2.大麻樹脂

花穂や葉から取れる樹液を圧縮して固形状の樹脂にした加工品です[50]。中近東や欧米でハシシ (hashish)、インドでチャラス、チョコとも呼ばれています。消費地は主に西ヨーロッパです。

3.液体大麻

乾燥大麻や大麻樹脂を溶剤で溶かし抽出した加工品です。ハシシオイル、ハッシュオイル、ハニーオイルとも呼ばれています。溶剤には、アルコールや油、石油、エーテル、ブタンなどが用いられています。

大麻の医学的応用

大麻が主として有害な物質であることを述べてきました。しかし、薬は全てそうですが、有益な部分もあります。その適応をうまく使えば「麻薬は動物を含め神が人類に与えた慈悲である」ということも事実です。
これまで報告されている適応疾患は多岐にわたっています(表2)。
その効用を要約すると、慢性の痛みを伴う疾患、精神的苦痛を伴う疾患、に要約することが出来ます。
実際の疾患の一部をあげると、ガン末期の身体的・精神的苦痛、慢性の痛みを伴う疾患、心的外傷後ストレス障害、全般性不安障害、などです。
これまで報告された実際の疾患や症状は表2の通り多岐にわたります。これらの疾患に伴う疼痛、不安、緊張、鬱症状、種々の精神障害、痙攣、不眠、などに対して効果が得られたと報告されてきました。

表2 これまでに大麻が使用された疾患の報告例[48、50⁻55]

ヘルペス、エイズ関連疾患、化学療法による合併症、帯状疱疹、放射線治療合併症、ウイルス性B型及びC型肝炎、ライム病、ライター症候群、ポリオ後症候群、悪性黒色腫、前立腺癌、精巣癌、腎癌、悪性脳腫瘍、神経膠芽腫全身癌、リンパ節癌、骨髄性白血病、子宮癌、リンパ腫、グレーブス病、後天性甲状腺機能低下症、甲状腺炎、Ⅱ型糖尿病、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性末梢血管病、低血糖症、脂肪腫症、関節障害、痛風、ムコ多糖症、ポルフィリン症、アミロイド症、肥満症、自己免疫疾患、血友病、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、認知症、振戦せん妄、統合失調症、躁病、うつ病、双極性障害、自閉症、アスペルガー症候群、不安障害、パニック障害、強迫性障害、気分変調性障害神経衰弱症、書痙、心因性インポテンツ、アルコール依存症、オピエート依存症、鎮静薬依存症、コカイン依存症、アンフェタミン依存症、アルコール乱用、たばこ依存症、心因性多汗症、心因性幽門痙攣、心因性排尿障害、歯ぎしり、吃音、神経性食欲不振症、非特異的チック障害、トゥレット症候群、持続型不眠症、悪夢、過食症、緊張性頭痛、心因性疼痛、外傷後ストレス障害(PTSD)、器質性精神障害、脳振盪後症候群、非精神器質性脳症候群、頭部外傷、間欠性爆発性障害、抜毛癖、注意欠陥・多動性障害、パーキンソン病、ハンチントン病、むずむず脚症候群、フリードライヒ失調症、小脳性運動失調症、脊髄性筋萎縮症(II型)、筋萎縮性側索硬化症、脊髄空洞症、反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)、多発性硬化症、半身麻痺、脳性麻痺、四肢麻痺、対麻痺、非特定運動麻痺、大発作てんかん性疾患、辺縁系激怒症候群、ジャクソン型てんかん、片頭痛、群発性頭痛、脳圧迫症、有痛性チック障害、ベル麻痺、胸郭出口症候群、手根管症候群、下肢単発神経炎、シャルコー・マリー・トゥース病、筋ジストロフィー症、黄斑変性症、緑内障、色覚異常、視神経炎、斜視、先天性眼振、メニエール病、耳鳴症、高血圧症、虚血性心疾患、狭心症、動脈硬化性心疾患、心伝導障害、発作性心房頻拍、開心術後症候群、レイノー病、閉塞性血栓血管炎、結節性多発動脈炎、慢性副鼻腔炎、慢性肺疾患、肺気腫、喘息、自然気胸、肺線維症、嚢胞性線維症、非定型性顔面痛、顎関節症候群、胃食道逆流症、胃炎、消化性潰瘍、胃腸障害、潰瘍性大腸炎、クローン病、幽門痙攣性逆流症、限局性腸炎、慢性大腸炎、大腸憩室症、便秘症、過敏性腸症候群、術後ダンピング症候群、腹膜痛、非ウイルス性肝炎、膵炎、腎炎、尿管結石痙攣、尿道炎、膀胱炎、前立腺炎、精巣上体炎、精巣回転症、骨盤内炎症性疾患(PID)、子宮内膜症、月経前緊張症、腟痛、更年期障害、スタージ・ウェーバー症候群、湿疹、天疱瘡、表皮水疱症、多形性紅斑、酒皶、乾癬性関節炎、乾癬、掻痒症、白色萎縮症、脱毛症、ループス、強皮症、皮膚筋炎、好酸球増多筋痛症候群、関節リウマチ、フェルティ症候群、変形性関節症、外傷後関節炎、膝蓋軟骨軟化症、強直症、多発性関節痛障害、椎間板ヘルニア、腰部椎間板疾患、頚部脊髄症、頚部椎間板障害、頚腕肩症候群、腰仙後部障害、脊柱管狭窄症、腰痛症、腱付着部症、腱鞘炎、デュプイトラン拘縮、筋痙縮線維筋痛症、結合組織炎、オスグッド・シュラッター氏病、ティーツェ症候群、メロレオストーシス、脊椎すべり症、脳動脈瘤、脊柱側弯症、潜在性二分脊椎、骨形成不全症、エーラス・ダンロス症候群、爪膝蓋骨症候群、ポイツ・ジェガース症候群、肥満細胞症、ダリエー病、スタージ・ウェーバー症候群、不眠症、睡眠時無呼吸症候群、慢性疲労症候群、振戦、不随意運動、筋筋膜性疼痛症候群、食欲不振症(拒食症)、過換気症、しゃっくり、嘔吐、吐き気、下痢、尿管痛、悪液質、椎骨脱臼、むち打ち症、ぎっくり腰、乗り物酔い、リウマチ、うつ病、アナフィラキシー様症状

E. 大麻は有用か有害か

大麻は、タバコやアルコールといった、より有害性の強い薬物のグループ(オレンジ)には属していないという報告もあります[45,46]
近年、後述するようにイギリスやカナダのように大麻についての科学的な調査・研究、医療利用への積極的な支援を行う国では、法規制の枠組みの下に臨床試験が行われています。 1977年にアメリカ大統領の諮問に対するシェーファー委員会の答申に基づいて出されたカーター教書によってマリファナの使用は精神病の原因になるとはいえないこと、個人の少量所持を刑事罰の対象から外すのが望ましいと言明されています[47]。1999年、全米科学アカデミー医学研究所は煙による害を別にすれば、医学的には大麻使用による副作用は他の医薬品で許容されている副作用の範囲内にあるとしています[48]。また2008年にはイギリスの大麻等の研究団体ベックリー財団も「大麻は精神及び身体を含む健康問題で良くない場合があるが、相対的な害では、アルコールやタバコより極めて害が少ない」とする報告書を発表しています[49][50]。すなわち、これまでの文献に掲載された薬物の相対的な有害性については、大麻は、煙草やアルコールよりも有害性が低いとの報告もあり、むしろ抗腫瘍作用も示唆されています[51]。
一方、大麻が原因と考えられる精神疾患を総称して大麻精神病とも呼びますが、大麻精神病という疾患単位は確立されていません。1997年、世界保健機構(WHO) は、大麻精神病という障害は明確に定義できないとしています。また、その症状も統合失調症など他のすでにある精神障害と判別がつきにくく、その確認には証拠の提出などが必要となるとしています[52‐54]。WHOの2016年の報告書は、精神病との関係、定期的な大麻の使用と認知能力の低下についても十分な検索が必要であるとしています[55]。
大麻の医学的使用につては前記したように種々の疾患についてその有用性が報告されていますが、個人的使用については有害とする報告が多数を占めます。

一方、日本においては財団法人「麻薬・覚せい剤乱用防止センター」が大麻の有害性を主張しています[56]。
大量の大麻使用による種々の精神病に似た症状は数日以内に回復します[57]。
問題は長期に個人的に使用する場合です。特に若い人の場合には認知機能[58]や運動反射機能の変化[59]や音楽に対する感受性の低下[60]等が報告されています。大脳皮質の変化が機能的変化[61-64]のみならず組織学的にも生じる[65]ことが報告されています。また、妊娠中の女性の長期使用は胎児や授乳中の乳児に対する影響の可能性も示唆されています[66]。

F. 交通事故との関連

ただ米国の大麻が合法化された州でも、大麻使用状態で運転することは違法となっています。大麻タバコ3分の1本以下の少量の吸引であれば運転能力に支障は見られず、かえって無使用者のドライバーよりも事故を起こしにくいという研究報告もありますが、米国では死者が発生した自動車事故で運転者から検出された薬物の1位がアルコール、2位がマリファナで、特に近年は欧米諸国の研究者により、同様の趣旨の報告が相次いでいます[67-72]。
また、アルコールと大麻を併用した場合は、いずれか一方のみを使用した場合よりも事故のリスクが高くなります[71]。

G. ゲートウェイ理論

大麻を取り締まる大きな理由の一つに、いったん大麻を使うと他のドラッグをも使用するようになり、他の薬物への入り口となるという「ゲートウェイ・ドラッグ理論」(踏み石理論)があります。これは1950年代にアメリカの麻薬取締機関が広めた考えですが、最近は欧米の政府機関によりこの理論についての再考察が盛んに行われています[73-82]。近年の研究機関はその関係性について否定的な報告[78,80,82]、或いは肯定的な報告[74,75,76,79,81]がさらに論議が必要とする報告[73,77]などがあります。コーヒーショップで大麻の販売が認められているオランダでは、大麻使用者数はむしろ減少傾向となっているようです[83]。

H. 法規制について

日本における法規制(*「大麻取締法」も参照)

大麻に対する法規制は国によって様々です。娯楽目的に使用した場合は死刑から自由に売買できる国まであります。この事実こそ大麻に対する研究が未だ十分でないことを物語っているのではないでしょうか。医療大麻に対する報告も研究者によって異なることもありますが、国による歴史や文化の違いによるものが大きいかもしれません[29,84]。
日本では、大麻は大麻取締法による規制を受けています[85]。大麻が阿片同様、「麻薬及び向精神薬取締法(麻薬取締法)」[86]とは別の法律で規制されています。それは不法製造者の職種が異なり、取締りの完璧を期するためであるとしています[85]。「麻薬及び向精神薬取締法」においては、大麻の慢性中毒を、他の麻薬の慢性中毒と同じく麻薬中毒といい、同様に扱っています。さらに、麻薬特例法においても、規制薬物と規定されています。

また、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15項に基づき、大麻は指定薬物に指定されており、同法第76条の第4項により医療以外の用途での使用等を禁止しています。なお、大麻取締法では第4条第1項第2号において大麻から製造された医薬品の施用等を禁止し、同法同項第3号では、大麻から製造された医薬品の施用を受けることを禁止しているため、このような場合には、医療用途、医療以外の用途に拘らず、大麻の施用は違法行為となります。
法的規制についてはビッグデータによる更なる詳細な分析が必要かもしれません[87]。

規制対象

日本の大麻取締法では、大麻を「大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう、としています。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く)並びに大麻草の種子及びその製品を除く」と規定しています(同法1条)。
種の学名「カンナビス・サティヴァ・エル (Cannabis sativa L.)」を用いて定義しているため、「大麻草(カンナビス・サティヴァ・エル)」とは、カンナビス属に属する植物すべてを含むことになります。
大麻種子は調味料や鳥の餌などで普及しており、規制が難しいので取り締まりの対象とされていません。関税法では発芽防止の熱処理されていない大麻種子は輸入規制されています。また大麻の受動的吸引自体は、法律違反とはなりません。これは揮発した大麻成分を自然摂取してしまう麻農家や、同法制定までは麻が燃やされていた護摩炊き、お盆の迎え火や野焼きなどによる受動喫煙、飲食物に混入されてしまった場合、などを考慮したものであるとされています。

免許制

大麻取締法(昭和二十三年七月十日法律第百二十四号)[88]に則り、大麻(大麻草及び大麻製品)の所持・栽培・輸出入は、免許制となっています。すなわち、繊維若しくは種子を採取する目的で大麻草を栽培しようとする場合は、都道府県知事の大麻栽培者免許が必要です。また、研究目的で大麻草を栽培し、又は大麻を使用しようとする場合は大麻研究者免許若しくは薬剤師免許が必要です(同法2条、3条)。また、免許を受けた大麻研究者が大麻を輸出又は輸入しようとするときは、厚生労働大臣の許可が必要です(同法4条1項1号)。
日本では大麻栽培に免許制度を採用しており、産業的栽培は法的に可能ですが、厚労省は新規の免許交付については、単に農作物として出荷する目的での栽培を認めておりません。「その栽培目的が伝統文化の継承や一般に使用されている生活必需品として生活に密着した必要不可欠な場合に限る(神事など)」としています。事実上、ほとんど認めない方針を取っています。ただ、栽培中にその成分を自然吸引することになるため、使用の有無にかかわらず身体から大麻反応が出ても、免許保持者は罰せられることはありません。

I. 各国・地域の大麻政策

今日では、多くの国が大麻に関して原則的に規制をする法律を規定しています。これらの法律は、国際法である国連の麻薬に関する国際3条約を批准することに通じています(3条約:1961年・麻薬に関する単一条約)/1971年・向精神薬に関する条約/1988年・麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約)。
また特に21世紀となり条約批准国の中には、国内法あるいは地域自治法において、医療に限って許可したり、娯楽目的では量を規定して単に罰金とする非犯罪化が定められており、国際法と我が国の規制と矛盾する様相を呈してきているのも確かです。
しかし、麻薬に関する単一条約から50年が経った2011年に薬物政策国際委員会(国連機関ではなく民間NGO)は、禁止による対策は失敗し薬物による問題を助長しているのが事実であり、麻薬犯罪組織を弱体化させる実験的手法として、政府による合法規制を特に大麻に対してのみ実施してはどうか、との提言もあります[89]。

おわりに

このように大麻に対する法的定義が我が国では特異であること、医療用大麻は少なくとも短期間使用する場合は医学的には有用であることを述べました。ただ、医療として使用する場合は有用ですが、薬物を投与する側も薬理作用について十分な知識と経験が必要ですし、また、薬物の投与を受ける側もその功罪について十分に知っておくことが求められます。個人的な少量使用では特に心身に対する影響はないとする報告や有害とする報告の数々を述べました。また、その個人的使用に当たっては国によって法的規制が様々であることも述べました。その功罪についてはさらに医学的な面や法的規制のみならず歴史や文化の面からもまだまだ議論していくことが必要なように思われます。
また、医療の面からは、これまで研究されてきたオピオイド受容体に作用すると同時にカンナビノイド受容体両者に作用する薬物[90]の開発も大きなテーマであると思います。また、心身の痛みについては、体の中では、オピオイド系(βエンドルフィン、メチオニンエンケファリン、ロイシンエンケファリン、ダイノルフィンなど)やカンナビノイド系(大麻の成分)のみならず、ノルアドレナリン、セロトニン、ドーパミン、アデノシン3リン酸(ATP)などが複雑に関わっている[91]ことが最近盛んに論議されております。

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