《資料》厚生労働省難治性疾患克服研究事業 消化器系疾患調査研究(難治性膵疾患)
作成の難病情報センターホームページから引用
急性膵炎の重症度判定基準
予後因子(1)
ショック、呼吸困難、神経症状、重症感染症、出血傾向、Ht≦30 %、
BE≦-3mEq/L、BUN≧40mg/dL (またはCr≧2.0mg/dL)
各2点
予後因子(2)
LDH≧700IU/L、PaO2≦60mmHg、Ca≦7.5mg/dL、
FBS≧200mg/dL、TP≦6.0g/dL、Plt≦10x104/mm3、
PT≧15秒、CT Grade≧Ⅳ
各1点
予後因子(3)
SIRS診断基準の陽性項数≧3
2点
年齢≧70歳
1点
予後因子(1)が1項目、あるいは予後因子(2)が2項目以上陽性のものを重症急性膵炎とし、重症急性膵炎例では、予後因子(3)を含めた各予後因子の陽性項目の点数の合計を算出し、それを重症度スコアとする。重症度判定は原則として入院48時間以内に行い、以後、経時的に検索して行う。
血中アミラーゼ値やリパーゼ値の高低やその推移は必ずしも重症度を反映しない。
来院時軽症でも急激に重篤化する場合がある(特に発症後48時間以内)。来院後 24時間以内は軽症でも24~48時間に重症化した症例の死亡率は約11%との報告がある。
膵壊死の有無やその範囲、膵炎の炎症性変化の広がりは重症度や予後と関連しており、膵壊死の範囲の正確な評価には造影CTが必要である。しかし、造影に伴う腎機能の増悪やアレルギー反応等の可能性に留意しなければならない。
十分なモニタリングや治療が行えない場合には輸液ルートを確保し、輸液を行いながら高次医療機関へ転送する。なお、搬送にあたっては病初期の十分な輸液が必要な時期での長時間の路上搬送などの病態への影響についても考慮して判断しなければならない。